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夏炉冬扇

私が少し前から読ませて頂いている、枡野俊明さんの本は、読むたびに心が自然と穏やかになれる、そんな、私にとってとても大切な本の1つです。

その本の中で「『結果』を出す一番の近道 」というタイトルのお話があり、私は思わずそのページで手が止まりました。そして、その中に、「夏炉冬扇(かろとうせん)」という言葉を見つけました。

 

「夏炉冬扇」とは、―夏の炉と冬の扇子―

 
「そのときは必要のないもののこと。今すぐには役に立たなくても、必ず 役に立つときがくる。じっと時機を待つことの大切さ。」と、書かれていました。

 

一口で仕事といっても、華やかな表舞台の仕事と、目立たない裏方の仕事があります。その両方があるからこそ仕事は成り立つのですが、それでも同じするのなら、華やかな表舞台にばかり気がいってしまう人もいると思います。

私も、華やかとまではいかなくても表舞台の、すぐに結果が見える方にばかり意識がいってしまうところがあります。
しかし、この枡野さんの言葉から、見えないところで地道な仕事をコツコツと積み重ねてきた結果として、今があり、一見役に立たないようなことでも、巡りめぐってひとつの結果に結びついているのだから、その時々でやれることを精一杯頑張ることは、決してひとつも無駄なことではないのだと、改めて教えて頂きました。そして、その地道なコツコツの積み重ねこそがタイトルにもなっている「結果を出す一番の近道」なのだと思いました。いつか花開ける、その為に一見地味で誰も手を上げないような仕事でも、自ら進んで手を上げれる、そんな心がけのある人にならなければいけないと思いました。

また、私が苦手とする継続、物事を続けることの難しさ、そして、大切さを書かれたお話がありました。

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「今の仕事こそが私の天職だ」。そう思える人はとても幸せです。
一方で、多くの人は「果たしてこの仕事は自分に向いているのか。もっと他に自分に合った仕事があるんじゃないか」と感じているのではないでしょうか。
確かに人間には向き不向きがあります。しかし、続けることでしか得られないものも確かにある。

僧侶の修行というのは、早起きをし、庭を掃き清め、お勤めをし……と、毎日同じことのくり返しですが、そのくり返しのなかにこそ「学び」があります。
何かを始める勢いがあればできます。終わるのも簡単。ただ、続けていくことだけが難しいのです。もし、自分には向いていないと思いつつ月日が経っていくとしたら、それは向いているということではないでしょうか。
人はつい他人と比較してしまいます。隣の人の職業が羨ましく思えたりする。ある人を見て、落ち込んでみたりもする。でも、最終的には自分の身の丈に合ったことのくり返しが幸福につながっていくものなのです。

~~~

このお話の中にあります「そのくり返しのなかにこそ『学び』がある」その言葉に続けることの大切さをしみじみと感じました。

僧侶の方は厳しい修行の中であっても、決して「やらされている」と思って修行をされる方はいらっしゃらないそうです。なぜなら、自ら望んで、自らすすんで修行をするという道を選んでいるし、そう思った瞬間に修行の意味がなくなってしまうから。だから、どんな内容であっても「やらせて頂いて、ありがたい」その気持ちを持ち、日々の修行に取り組まれているのだそうです。

そして、その気持ちは僧侶の修行にかかわらず、自分の立場に置き換えさせて頂いたとしても、自らが今ある仕事に従事させて頂き、こうして無事に生活をさせて頂けること、勉強をさせて頂けるという環境に感謝し、感謝と恩恵を循環するということは、誰もが持ち続けなければいけない心構えだと思いました。

「この環境を与えて下さってありがとうございます」「信じて任せて下さってありがとうございます」そうした感謝の気持ちを持ち、表・裏関係なく、その時自分が出来る事をただ精一杯していかなければいけないのだと。
そして、人と比較するのではなく、まず自分の中の弱い自分と戦える強い自分にならなければいけないと思いました。
すべてのことには意味があるのだと思います。その意味を見出せる自分になるためにも、地道なコツコツの積み重ねのくり返しから、学びを得て、それを生かし、周りの方から必要とされる自分になっていきます。


そして、もうひとつ、感じた事として、ひとつの言葉も、意味は同じでも解釈の仕方、表現の仕方で相手への伝わり方が変わるものなんだと改めて思いました。
「夏炉冬扇」の言葉の意味を知りたいと思い、辞書でも調べてみました。すると、そこには、「時期外れで役に立たない物事のたとえ」とありました。
私は、この辞書の解説よりも枡野さんが本で書かれていた、「そのときは必要のないもののこと。今すぐには役に立たなくても、必ず役に立つときがくる。じっと時機を待つことの大切さ。」の言葉が心にしみました。また、この温かい解釈から枡野さんの人柄を感じました。
私も、お客様や社内や業者様や、たくさんとの方との関わりがある毎日で、周りの方から必要とされる自分になる為にも、枡野さんの解釈のように、前向きな温かい表現の出来る自分になっていきたいと思いました。


ただ、辞書の意味のように
「時期外れ」=「やるべき時にやれない・タイミングをのがす」「役に立たない」=「必要とされない自分・役に立てない自分」には、決してならないよう気を引き締めていきます。

 

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