中谷彰宏著 「たった3分で見ちがえる人になる」 より
「見ちがえる」 とは、テンションがあがることです。
さっきまで、テンションが低かった人が、急にテンションが持ち直すと、
「あの人は見ちがえたね」と ほめられるのです。
「元気な人」 はいつも元気な人ではありません。
元気がなくなっても、すぐ元気が回復する人です。
テンションをあげるのに時間はかかりません。
たった3分でテンションをあげることができるのです。
テンションをあげるのに、時間がかかっていたのでは、意味がありません。
たった3分でテンションをあげる具体的な裏技を、自分の引き出しにたくさん
持っておくことです。
1.食事を抜いても本を買おう。
いつも元気な人が、テンションが低い時があります。
そういう時は、まずおいしいものを食べさせます。
そうすると、ただおなかがすいていただけだったことがわかります。
テンションが低いと、相手にいい印象を与えません。
テンションをあげることが、「見ちがえる」ということです。
テンションをあげるには、
①おいしいものを食べる
②本を読む
という2通りの方法があります。
人に会うとテンションがあがると言いますが、会う人によりけりです。
食べるものも、何でもいいわけではありません。
あり合わせのものを仕方なく食べて、体に悪そうとか、ただおなかが膨らんで脂肪になる
だけと思うと、よけいテンションがさがるのです。
元気が出る本を読むとテンションがあがります。
自分のテンションがさがっていると思ったら、まずおいしいものを食べて、
元気が出る本を読むのです。
時間とお金に限りがあれば、ごはんを抜いてでも本を読むことです。
「最近つまらない」と言う人は、本を読んでいないのです。
本には、成長ホルモンを刺激する何かがあります。
ジムで「このくらいでやめよう」と思ったことも、 「もう少しやろう」という気持ちに
なるのです。
本は、情報を得るためだけではなく、結局はテンションをあげてくれるものなのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
テンションをあげるために、おいしいものを食べるか、本を買おう。
2.さっさと曲を選べる人が、カラオケを楽しめる。
カラオケでなかなか曲を決められず、トイレで練習したりする人がいます。
そういう人は、モタモタしていて感じが悪いのです。
カラオケで気持ちのいい人は、一番に歌うわりにはサビしか知らなかったりする人です。
流行っている曲のサビはよく知っています。
それでその曲を選んで歌い始めても、途中で歌えなくなります。
でも、そういう人のほうが潔い(いさぎよい)のです。
カラオケで曲を選ぶのに時間がかかる人は、一歩が踏み出せない人です。
後半にキーが高くなるから歌えないと考える人よりも、まわりが「こんな高い
キーで大丈夫かなと ひやひやする人の方が一緒にいて楽しい人です。
「あの人はさわやかな音痴だよね」というとらえ方をしてくれるのです。
そういう人のほうが、人生を楽しんでいるし、一歩踏み出せる人なのです。
普段の仕事でも、上手にやらなければと思い込んでいる人は、人に対しても
上手かヘタかという基準で見るのです。
そうするとまわりは楽しくなくなります。
カラオケで大事なことはテンションです。
音楽の授業ではないのです。
どんなに上手に歌っても、テンションが低かったらつまらないのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
カラオケは、潔く曲を決めよう。
3.背筋を伸ばして、悩む人はいない。
宝塚には1組に約70人います。
劇場は大きいし、みんな似たような濃いメイクをしているので、後ろの方になると、
誰が誰だかよくわかりません。
でもその中で目立っている人が、やがてトップになるのです。
宝塚の男役の人は、テンションをあげて目立つために、襟のところを胸の前で
持って、真下にグッと下ろします。
そうすることで、背筋が伸びるのです。
背筋を曲げたまま襟を伸ばすことはできません。
テンションの下がっている時は、背筋が曲がっています。
背筋が伸びている状態で、悩んでいる人はいないのです。
背中を丸めて「どうしよう」と言われても、その時点で終わっています。
謝るときも、背中を丸めて「すみません」と言われると、よほど悪いことしたような
感じがして、よけい怒りたくなります。
ところが背筋が伸びた人に「すみません」と言われると、何か解決したような気が
するのです。
謝りに行く時は、背中を丸めて行くという思い込みがあります。
でも、背筋が伸びた人に「大変なことになりました」と言われると、
「これは乗り越えられそうだ」と思うのです。
お詫びに行く時ほど堂々とすることです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
背筋を伸ばして、謝ろう。
4.報告のない説明は、受け入れられない。
説明がヘタな人は、報告が抜けているのです。
説明が上手な人は、まず報告をします。
その報告はだいたい悪い結果です。
ヘタな人は、悪い結果を言わないで、いきなり説明と言いわけから始まります。
そうすると、相手に伝わりません。
聞いている人は、その時点でイヤな予感がします。
「実はこういうことが起こりました。それはこうこうこういう状況です」
と順序立てて話せる人は受け入れられます。
それが言えない人は、まず言いわけを並べます。
「なんでこの人はいきなり言いわけをたくさんするのだろう」 と、
相手は不審に思います。
そこに「実は」と、悪い報告が来ると、その報告の印象はとても悪くなります。
聞き手は、言い訳をされると最悪の事態をいろいろ想定します。
その間にムカムカしてきます。
最悪の事態は起こっていないのに、最悪の事態が起こったような気持ちで
その報告を聞くから、
「そんなことも起こったのか」 となります。
最初に報告をすると、相手にはその説明を聞く余裕が生まれます。
いい結果は最初に言えるからスムーズにいきます。
結果が先に出ているからです。
上司に怒られるのは悪い報告をしたからではありません。
言いわけが前に来て、報告が後ろに来たからです。
報告をしている本人は、「ほらね、悪い報告をするとこうなるでしょう」と思い、
ますます悪い結果の報告があとまわしになるのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
まず、報告をしよう。
5.許そう。人も、自分も。
テンションのあがらない人は、許してもらえていないのです。
許してもらえないと、エネルギーをグッと押さえつけられます。
そのエネルギーを発揮させるためには、許してあげることです。
許してあげるのは、
①相手
②自分
の双方です。
怒っている人はテンションが下がります。
エネルギーをどんどん消耗するのです。
怒られている側も、気持ちがしぼんでテンションがさがります。
最初の1分は、両者のテンションがあがります。
「しまった。二度としないようにしなくちゃ」 と思うのは最初の1分だけです。
怒っている側も、最初の1分はストレスを発散するから「ダメじゃないか」と
テンションがあがってエネルギーが出ます。
1分からあとは、両者のテンションがひたすらさがります。
怒っている時は、なかなか1分でやめられません。
延々と同じことをグズグズ言います。
「この間もそうだった。」と別件のことまでほじくり出して、
「だいたい君はいつもそうだ」 となります。
そうならないためには、1分で人も自分も許せばいいのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
1分以上怒って、自分のテンションまでさげない。
6.「一生懸命さ」と「いいかげんさ」を持とう。
人間は自己嫌悪に陥ると、自分が自分を説教し始めます。
怒る側と怒られる側の2人分の消耗を自分の中でやってしまいます。
依存症の人が苦しむのは、このパターンです。
例えば、「また買物しちゃった。自分はダメな人間だ。」と考えます。
どこか許せる人、いいかげんな人は自殺をしません。
まじめな人が自分を許せなくて自殺をするのです。
一生懸命さといいかげんさを備え持つことです。それが許すことなのです。
許せないことより、許すことのほうが能力的にははるかにむずかしいのです。
人から許してもらうことを覚えるより、人を許すことを覚えるほうがより高度な
レベルです。
怒るのは1分間と決めておいて、1分後に許すと、あなたはとても感じのいい人
になります。
ワンちゃんを叱る時も、叱ったあとは必ず許すというのがワンセットになるから、
しつけを覚えるのです。
許された時にうれしい顔になって、「もう二度とこのことはしてはいけない」と
学習するのです。
許している時の顔はとてもいい顔になります。
悪はヒーローを許しませんが、ヒーローは必ず悪を許します。
悪をやっつけるだけではヒーローにはなれません。
悪をやっつけて許したときに初めてヒーローになるのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
叱ると許すは、ワンセットにしよう。
7.上司の話に、ボケ・ツッコミを挟もう。
上司の話はだいたいつまらないのです。
聞いているとテンションがさがります。
話しがつまらないと、聞き方もつまらなくなって、上司自身のテンションもさがります。
上司は、「笑わせたい」「感動されたい」「カッコいいと思われたい」「尊敬されたい」と
思って、一生懸命話しています。
それに対して相手が感動してくれないと、上司は不完全燃焼感を持つのです。
上司を満足させるるためには、上司の話にちゃんとボケと突っ込みを挟むことです。
語り手と受け手、ボケとツッコミがあって、初めて会話はもりあがるのです。
「相づちを上手にうちましょう」とよく言います。
相づちの打ち方の上手な人は、ボケとツッコミをやっています。
まじめな人ほど、ただの相づちを繰り返します。
上司が「こいつは本当にわかっているのか、感動してくれているのか」と思うと、
説教はよけい長くなるのです。
上司の長説教につかまると、上司もあなたもテンションがさがります。
上司の長説教につかまらないためには、上手にボケとツッコミを入れることです。
そうすれば、上司と仲良くなれるのです。
スピード感もリズム感も必用です。
素直に聞いていてもなかなか距離感が縮まりません。
話し始めの3分間が勝負です。
3分の間に上司が満足したら、話はそこで終わります。
3分の間に不完全燃焼感を持ったら、2時間になります。
「今晩ちょっと来い」と言われて、夜までつぶれることになるのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
相づちより、ボケとツッコミを入れよう。
8.感謝は、何かしてもらってからするのではなく、してもらう前にするのだ。
感謝のタイミングは、
①何かしてもらった時にすぐに言う
②時間がたってから言う
③してもらう前に言う
という3通りがあります。
時間がたってからお礼を言われても、相手はうれしくありません。
誰でもすぐにお礼を言おうと思っています。
でも結果として、時間がたってしまうのです。
怠慢だからなのではありません。
(人によっては、気づかないとか、怠慢が理由だけの人もいますが。)
相手も忙しいので、お礼を言うタイミングをはずしてしまい、「そういえば、この間は
ありがとうございました。」ということになるのです。
してもらう前にお礼を言おうと思っていると、ちょうどいいタイミングでお礼ができます。
最初からお礼を言う態勢ができあがっているからです。
自分も相手も動いているので、「今」を狙っても間に合いません。
何かをしてもらってからお礼を言おうとしても、遅いのです。
してくれるかどうかを見きわめてからお礼を言うのは、相手を信じていません。
してくれないのに言ったらムダになると思っているのです。
何かしてもらう前にお礼を言うのが一番効果的です。
先にお礼を言われると、相手は頑張って、本当は100のところを120にしようという
気持ちになります。
そうすれば、すべてのことがスピーディーに展開するようになるのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
実現する前から、感謝の仕方を考えておこう。
9.ライバルをほめることで、自分に自信をつけよう。
自分をよく見せようと思えば思うほど、テンションがさがります。
「この言い方では誤解を招いたのではないか」とか「自慢話になっているんじゃないか」
という自己嫌悪に陥って、逆によく見えないのです。
自分をよく見せる方法は、ライバルをほめることです。
ライバルをほめることは簡単です。
ライバルをほめても自分が低く見られるわけではありません。
逆に余裕が出てくるのです。
ライバルをほめられない人は、ライバルをほめると自分が負ける、というヘンな
競争心があります。
そういう人は、みんながライバルをほめていると、「でも、あの人は実は……」とけなして、
よけいテンションがさがることになるのです。
ライバルをほめると、ライバルの得点が上がります。
でも、ほめている人の得点はもっと上がります。
そうすれば、自分のテンションもあがっていくのです。
『 3分で見ちがえる人になるために 』
ライバルをほめよう。
私達は人生のあらゆる場面において、テンションをさげられるような辛い状況に
追い込まれます。
そんな時、3分でテンションをあげる方法を、自分の引き出しに持っていれば、
一生見ちがえる人で いられるのです。
3分でテンションをあげることのできる人は、一生、元気でいられる人なのです。