「日本宇宙開発の父」と称された糸川英夫博士はよく「独創力」の大切さについて話されていましたが、一般向けに行われた講演会でこんなことがあったそうです。
先生は、幼い男の子を抱いて前の席で座っているお母さんに
「その子を独創力のある子に育てたいと思いますか?」
と聞かれました。
「もちろん」と答えたお母さんに、
「そのためにあなたはどう育てるつもりですか?」と聞くと、
そのお母さんは
「独創力を発揮するには自由でなければいけないから、
この子がやりたいと思ったことは自由にやらせます」
と答えました。
先生は天井を見てしばらく考えていましたが
「あなたは数年すると、絶望するでしょうな」
と言われたんです(笑)。
「何でも好きにやって独創力がつくのなら
チンパンジーには皆、独創力がある」と。
先生が続けて言われるには
「人間には意志というものがあって、
自分はこれをやりたい、という思いに
固執しなければいけない」
と。一旦やりたいと思ったことは、
絶対にやり遂げるという気持ちがなければ、
やっぱり何もできません。
一度決心したことは、石にしがみついてでも
やり遂げる強い意志が必要だ、と第一に言われました。
* *
第二には、過去にどんな人がいて、
何をやったかを徹底的に学習しないとダメだ、と。
アインシュタインは、ニュートンのことを徹底的に学習して、
ニュートンが考えることは
すべて分かるという状態にまでなった。
そうやって初めて、ニュートンの
分からないことが分かるようになったんです。
だから過去の人がやったことを
決して馬鹿にしてはいけない。
これまで先人が残した考えの上に乗っかって、
初めて新しいことが生まれる。
だから、徹底的に勉強しなきゃいけないと言われました。
* *
第三は、少し意外だったんですが、
自分が何か独創力のある凄い仕事をしたと思っていても、
世の中が認めなければ
そのまま埋もれてしまうことになる。
世に認められるためには、
他の人とのネットワークを
しっかり築いてよい関係をつくっておくことが大事ですと。
* *
先生はその後、
「私は独創力と縁のないことを言ってるように
聞こえるかもしれないけれど、
世の中の独創力はそうやってできてるんですよ」
と話された。
先生はまさしくそれを貫かれたと思うんですね。
同時代の人がやっていることを
真似るようなことは決してしないけれども、
過去のことは非常によく勉強されています。
糸川先生は、誰も考えなかったことを
考えるのが大好きなんですよね。
でもその基盤には、自分が正当に継がなきゃいけないものを、
物凄くしっかり勉強しているということがあるわけです。
その上に立って、初めて独創力が
生まれてくるんだなということは、
先生を見ていてよく感じました。 的川泰宣氏&小川三夫氏の対談から
今日の朝礼での日めくりカレンダーもそうでしたが,
「一道を究めた人たちは、一様に八十になっても、九十になっても感動する心を失っていない。その姿勢はそのまま人に感動を与える力になる」
と、ありました。何かに打ち込み、究める為の学ぶ姿勢や生き方は、人の心を動かし、人を動かすこととなるのだろうと…、そういう真面目さが、独創力をつくり世の中を動かすのだろうなと思いました。









